5月も後半になって今さらだが、GWに再見したかった映画を借りて観たので感想などを記録しておく。
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・ 『天使のくれた時間』 (2000年、米)
監督:ブレッド・ラトナー
主演:ニコラス・ケイジ、ティア・レオーニ
原題: 「THE FAMILY MAN」
見ている最中に 「ティア・レオーニってトム・クルーズと似てるよね」 と
何度か呟いた甲斐あって、見終わる頃には夫が
「この女の人、トム・クルーズと似てるね」 と言うようになった。
DVD特典映像のNG集では、ニコラス・ケイジと友人役のジェレミー・ピヴェンとの間に
何やら 「ブフォォッ」 となるタイミングがあったようで、何度同じシーンをやり直しても
「ブフォォッ」 の繰り返しだったのが笑えた
。他のシーンに於いてもこの2人はことごとく 「ブフォォッ」 の連続で、
本気でどうかしたのかと思ったが現場の雰囲気はよさそうだった。
監督のブレッド・ラトナーと製作のマーク・エイブラハムらのインタビューでは、
・脚本を読んで主役のジャック・キャンベルはニコラス・ケイジにしかできないと思い、
たびたび出演交渉に行ったが良い返事は聞けなかった。
・当時ニコラス・ケイジはスナッフ(殺人)フィルムを題材とした暗い内容の映画
『8mm』 の撮影中で役に入り込んでいたので、 『天使のくれた時間』 のような
ハートウォーミングな映画の仕事をやる気にはなれず、
何度も門前払いを食らわせられたり返事を何ヶ月も延ばされた。
・製作陣はオフ中のニコラス・ケイジのリゾート先のビーチにまで、
アポを取り訪れて説得し、ようやく出演すると返事をもらって本当に安心した。
などなど、明るく話しながらもハリウッドの大物に振り回される製作陣の
悲喜こもごもが垣間見え、心から同情した。
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・ 『ケーブルガイ』 (1996年、米)
監督:ベン・スティラー
主演:ジム・キャリー、マシューブロデリック
私が勝手に、ジム・キャリーのこれまでのキャリアの中で
最も面白いと思っているサイコ・コメディ。
「テレビがともだち」 で、話し方に軽い障害を持っている、
ケーブルテレビの配線工という職業のせいで馬鹿にされがちな、
どこまでも図々しい青年をうまく演じていた。
ジム・キャリーがうるさいことは変わりないが、珍しく抑制の効いた演技も見せて
ラストでは一瞬だけほろっとする。
この映画は高校時代に何度も見たのだが、当時は日本で
「ストーカー」 という言葉がようやく認知され始めてきた頃だったので、
(映画では男→男へのストーカー行為だが)
へーこんなきっかけで目を付けられて、こんな風に生活に入り込まれるのだな、と
少し勉強になった。
それでも 「ケーブルガ~イ!」 とドアの前で叫ぶシーンでは
怖さよりもおかしさがまさって笑い転げてしまう。
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・ 『ベリー・バッド・ウェディング』 (1998年、米)
出演:キャメロン・ディアス、クリスチャン・スレイター他
結婚を控えた花婿とその友人達による独身最後の夜のバカ騒ぎ
「バチェラー・パーティ」 で起きた事件から、結婚式の成功に血道を上げる花嫁も
巻き込んで次々と起きる奇怪な出来事、そして悲劇。
原題は 「VERY BAD THINGS」 。
キャメロン・ディアスも出演している1997年のヒットラブコメディ
『ベスト・フレンズ・ウェディング』 にあやかってこの邦題を付けたのだろうが、
間違えて借りる人がいたら激怒するだろう。
ブラック・ユーモア、ブラックコメディと言ってしまっていいのか悩む。
現に、初めて見た時には自分の中でどう消化していいやら分からずに、
ひたすらおろおろしてしまったのを覚えている。
数年前、夜中にふと目が覚めて寝付かれず、テレビを付けたら深夜映画でやっていたのだ。
見た後で 「いま私が見たのは何だったんだ?」 と余計寝られなくなった。
呆然とするぐらいテンポはよかった。
今回再見してもやっぱりひどい映画。
クリスチャン・スレイターのキレっぷり、あれは地なんじゃないだろうかと思ったのと、
あんなラストシーンでもきちんと演じるキャメロン・ディアスはいい人だという事と、
テンポがよかった事しか残らない。
でもきっとまた、見終わった時のあ然とした気持ちを味わいたくて
懲りずにレンタルしそうな気もする