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高校生のときに世界史仲間(※)の友人が強く薦めて貸してくれた
漫画 『バジル氏の優雅な生活』 (坂田靖子著、白泉社文庫)をふと思い出して
夜中に第1~5巻までポチっと購入した。

華やかなりしヴィクトリア朝の大英帝国を舞台に、プレイボーイでお節介焼きの
バジル・ウォーレン卿に舞い込む事件や騒動を、バジル氏を囲む様々な人々と共に描いた
古き良き時代のロンドンを堪能できる作品。

*

世界史仲間とは (以下高校時代の回想)

高3に上がるときに大学受験に備えて国公立・私立、文系・理系など
進路別にカリキュラム分けがあり、私立文系の私は歴史の科目を選択する際に、
(世界史は広く浅く学べて楽だろう、日本史で一揆とか米騒動とか掘り下げて学んでもね)
と軽く間違った考えで世界史を選んだ。

私と同じ理由でかどうかは不明だが、学年で世界史を選択したのは私を含め8人。
(ちなみに一学年は1クラス約40人で4クラス。)
この8人で、後に述べる一風変わった世界史の授業を乗り切っていくことになったのだ。


*

当時の世界史の教師というのがちょっとアルツハイムの住人的なおじいちゃん先生で、
その時点でちょっと不安。
また教科書に則った授業をせずに、自分の興味関心のある分野にのみ特定して
大学の講義のような授業をすることで有名で、
桃の天然水とじゃがりこと化粧が生きがいだったパッパラパーな私は
早くも世界史選択を軽く後悔。

教師本人がクリスチャンだったからなのか、半年近くも絶対王政と宗教革命についての
講義しかせずに私たちを不安のどん底に突き落としたり、
イスラム世界をなかったことにして授業を進めたり、
中世ヨーロッパにおける同業組合であるギルドについての講義で、
好々爺の風体ながらおもむろに 「売春婦のギルド」 について熱く語り出したり、
定期試験では 「採点は100点満点の範囲内で試験問題を作成する」 という
それまでの常識を軽々とぶち破って262点満点などという試験を作ってきたり。262点て。

試験時間は他の教科と変わらないのに問題数が倍以上なので、
終わりのチャイムが鳴る頃にはなんかみんなフルマラソン走った後みたいに
ぜいぜい言ってた。

*

40人が入る教室にたった8人がぽつんぽつんと座って、昼ごはん食べた後とかで
うっかり8人全員が昼寝している状況で、それを全く意に介さずに 「売春婦のギルドがね」
とか話し続けてるおじいちゃん先生。シュール。プロレタリアート。

それまではただのクラスメイトだった8人がこと世界史に関しては
試験対策やノートの貸し借りなどで結束を強めていくのはごく自然なことだった。

着々と教科書を進めていき、試験形態も普通な日本史選択者たちを、
泥舟から逃げ遅れたネズミのような心境で当時はうらやましく (恨めしく?) 思っていたが、
今となっては他のどの教科よりも世界史のことが強く印象に残っていて、
ふと 「フリードリヒ・ヴィルヘルム2世」 のことを考えている自分がいる。

スリルに満ち溢れた世界史の授業を
なんだかんだ言って好きになっていたのかもしれない。

要するに世界史仲間というのは私にとっては特別な響きを持つもので、
その中でも 『バジル氏~』 を薦めてくれたN子とは、趣味などが全然違うのに
それでいて妙にリンクする部分があって、色々なことを熱く語り合ったりした。

*

昔のことが楽しかったと思い出されるのは、
やはり美化された思い出だからなんだろうな。
 『バジル氏~』 が届いたら当時を色々思い出しながら、
しばし漫画のイギリス世界に浸ることにしよう。

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