結納の日。
今日は六陽でいうと ”赤口” であまり良い日ではないけれど、
夫になった人の両親がどうしても年末にと言い、
他に都合のつく日もないので仕方なく本日となった。
あなた方はお暇でしょうけれどうちの両親は自営業で年末は忙しいのだよ。
*
午前中に家族でちょっと大がかりな掃除をしてからケーキを買いに行った。
実家の近所にある若いご夫婦でやっているお店で、
お客様にお出しするケーキはいつもここで買う。
斬新で可愛らしくておいしいケーキなのでとてもお気に入り。
白を基調にした明るくてかわいいお店。
私が自分で用意していた服を着ようとしていたら母からダメ出しを食らった。
「これを着なさい」 と言われ、黒のニットワンピと、
直径6センチぐらいあるスワロフスキーの大きな雪の結晶ブローチと、
ソニアリキエルの茶色のムートンコートとポリーニの豹柄バッグを渡された。
母はもう着ないし使わないので前から渡そうと思っていたと言う。
おぉ、いつもはどこかのマタギかマサカリを担いだ金太郎のような恰好の私だけれど、
馬子にも衣装とやらでちょっとどこかのお嬢様みたいだ。みんな惚れるといい。
夫になった人のことで頭を抱えてばかりだったから気が付かなかったけれど。
彼と結婚したということは、彼の弟であるあの、
長いまつげのまなざしに憂いを含んだ細身の美青年が
もれなく私の義弟になったということか!
ニヤリ。
楽しくなってきたぞ。
弟くんも学生だから (しかもバイト先の近所の大学だ)
何かと自由がきくだろう。デートに誘おう。
たいした用事じゃなくても呼びつけよう。
買い物にも同行させるんだ。
義姉の立場を利用しまくってやる。
きゃーー。
なんか、すごいオモチャを手に入れてしまった気持ち。
いいの?こんなに楽しくて。
もしかして釣り?
っていうかエロゲー?
っていうぐらい好条件なんですけど。
弟くんには気の毒だけど、これもみなあなたのお兄ちゃんが
わたしを怒らせたり呆れさせてばかりだからよ。
今日はいつもよりも早起きをした。
はやる心を抑えながら小走りで本屋へ行き
間違いなく42巻をレジで受け取り
学校に着いたら1限の授業中に読みふけった。
感無量。
携帯電話とかイルカのペンダントとか
聖さんの台車コロコロとか桜小路君がキモイとか
イラストレーターの桜小路叔母のカメラを撮る時の掛け声とか
色々いろいろ言いたいことはあるけれど。
感無量。
私の 「ガラスの仮面42巻祭り」 はこうして終わった。
次の祭りは何年後…???