今日は年が明けてからの初バイト。もっと働かなくては。
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いつも通り忙しかったけれど、バイトを上がる時間には
だいぶお客様も少なくなっていたので、板前さんに
「マグロの頬肉丼」 を持ち帰りで作ってもらった。
マグロの頬肉を赤ワインと醤油で煮込んで
(他には日本酒やなんかを入れて、落とし蓋もしていたような)、
粗挽きの黒胡椒をまぶしたお店の人気メニュー。
その頬肉を、すし飯にひじきや山芋などを混ぜ込んだ「もぐり飯」に乗せたもので
とてもおいしいのだ。
それからこれも持って帰っていいよ、とみかんをもらった。
使えないバイトなのに申し訳ないほどとてもありがたいお店だ。
朝大学へ行く道すがら父の携帯に電話してみた。
さっき新幹線に乗ったばかりだと言うので、昼過ぎに
私がバイトしているお寿司屋で待ち合わせることにした。
昼の3時過ぎからサーヤこと紀宮清子さまのご婚約会見があった。
朝から新聞で各テレビ局の特番開始時間をチェック、
お腹がもたれないよう昼食を少なめに食べ、
自室のテレビとソファの間隔調整をして準備万端で臨んだ。
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各局サーヤ特番後、妹がNHK大河ドラマ 『新撰組!』 の
「山浪さん切腹の回」 の再放送を見たいというので部屋に招き入れる。
テレビを見ている姿がかわいいのでちょっかいを出すとマジギレされた。
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みかんを食べながらテレビを見たりネットをしたり
何となく会話をしたり、家でぬくぬくと幸せな時間。
こういう時間を何も考えずにたくさん過ごせたはずの頃には自分から拒絶していて、
ありがたいと思うようになった今ではもう長く実家には居られない。
もっとちゃんと家族との時間を蓄積してくればよかったなと思う。
夫になった人のことで頭を抱えてばかりだったから気が付かなかったけれど。
彼と結婚したということは、彼の弟であるあの、
長いまつげのまなざしに憂いを含んだ細身の美青年が
もれなく私の義弟になったということか!
ニヤリ。
楽しくなってきたぞ。
弟くんも学生だから (しかもバイト先の近所の大学だ)
何かと自由がきくだろう。デートに誘おう。
たいした用事じゃなくても呼びつけよう。
買い物にも同行させるんだ。
義姉の立場を利用しまくってやる。
きゃーー。
なんか、すごいオモチャを手に入れてしまった気持ち。
いいの?こんなに楽しくて。
もしかして釣り?
っていうかエロゲー?
っていうぐらい好条件なんですけど。
弟くんには気の毒だけど、これもみなあなたのお兄ちゃんが
わたしを怒らせたり呆れさせてばかりだからよ。