朝大学へ行く道すがら父の携帯に電話してみた。
さっき新幹線に乗ったばかりだと言うので、昼過ぎに
私がバイトしているお寿司屋で待ち合わせることにした。
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午前中の授業が終わるとすぐに地下鉄で神楽坂へ。
店に入ると父はまだ来ていない。
お店の人に新年の挨拶などしてカウンターに座り、
先に注文して食べていることにする。
しばらくして父到着。
店の入り口近くに座った私が笑いかけながら手を上げて、
明らかに目が合っているのを父はスルーして、店の人にお土産を渡しながら挨拶。
店の人も私もぽかん。
父 「娘と待ち合わせしてまんねん、まだ来てまへんな、
ちょっと待たしてもらいますわ」
(え!)
私 「いや、ここにいるやん」
父 「おぉお前おったんか」
私 「目合ったやん。手も上げて合図したやん。」
店の人は苦笑。
見た目はダンディだが父は本当にとぼけている。
ともあれ昼からおいしいお寿司を食べて幸せ。
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父は夕方から用事が、私も昼過ぎから次の授業があるので、
それまで大学のある四ツ谷でお茶することに。
夢追い人のようにとぼけた父との会話は腹がよじれるほどおかしい。
いわく、
■1度会った人は友達で、2度会った人は親友。
大阪府知事の太○房江さんなどはツレぐらいの感覚。
(新年呉礼会ではあっさり無視されていたような)
■役職を増やすたびに名刺を作り直すのが面倒だ。
(何の得にもならない理事やら会長やらをやりたがるからでしょうが。
ちなみにこの2年ほどで、父からもらった名刺はトランプができるほどの数になった)
■最近独学で漢文を始めた。
(この間ラテン語を独学でやってるって言ってなかった?実家で辞書見たよ)
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父は素のまま、私は笑いっぱなしで時間がきたのでお別れする。
いいよと言ってもくれるのでお小遣いをありがたく頂戴する。
東京では年に数回こうして父と会っているが、
この瞬間だけはいつも援助交際のようだと思う。
父も意識しているのかこの時だけよそよそしい。
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授業を受けてそのまま家に帰るのが何だかつまらなかったので銀座へ。
いつものようにぶらぶらしてちょこっと買い物をして帰宅。
昨日東京に戻ってきて落ち込んでいた気持ちがだいぶ回復した。