午前中のうちに全ての荷物を学生会館のロビーに下ろしてから
引っ越しの業者が来る夕方まで、約3年暮らした市ヶ谷を歩いてきた。
ここが東京に来てから一番長く住んだ街になる。麹町、番町周辺。
学校には徒歩で通えてどこへ行くにも交通の便が良い。
靖国神社へはよく散歩をしたし、東京の真ん中なのに緑が多くて静かで、
本当にいい街で暮らせていたことを今さらながらありがたいことだと思った。
この街を離れる実感はまだないけれど、春になったら
今までは桜並木の外堀を歩いて通学していたのが
これからは電車になる、その頃にじわじわと来そうな気がする。
満開の桜の下、花びらが散ってピンク色の絨毯を敷いたような道を歩くと
心が弾んでうれしかった。
*
業者が来て荷物の搬出を済ませ、今までお世話になった学生会館の職員の方々に
挨拶をして東京駅へ向かったのが5時。
新幹線の券売機の画面は近い時間はほとんど満席になっていたけれど、
運良く6時発ののぞみ指定席を購入できて、発車までの間に
大丸で実家へのお土産を買ったりして時間を潰した。
新幹線の中で読むつもりで東京駅の本屋で 『北斗の拳』 (武論尊・原哲夫、集英社文庫)
1、2巻を買ったのに、昨夜は荷造りでほとんど寝られなかったせいで、
新大阪に着くまでの2時間半はほぼ熟睡していた。
父からは、今晩は仕事があって新大阪駅まで迎えに行けないから
タクシーで家まで帰っておいでと言われていて、
実際荷造りで体は疲れ切っていたけれど、
大阪に帰ってきたことを実感したくて地下鉄で帰ることにした。
*
家に着くと同時に高校時代の友達から電話が。
3月初めに第2子出産予定だったのが予定日が早まって、昨日産まれたと言う。
ほんまに~!?おめでとう!がんばったね!すごいすごい!と興奮しまくって、
彼女が退院したら産まれた子を見せてもらいに行くことを約束した。
前の出産の時には色々と大変だったのを聞いていたので、
去年の夏に妊娠を知らされた時からずっと心配していたけれど、
無事に産まれて、翌日には電話をくれるぐらい彼女が元気でいるので安心した。
*
お風呂に入ってからは部屋でゆっくりとボストンの中身を整理しながら過ごし、
寝る前にリビングへ下りて母と妹と少し話をした。
母が飲んでいた桃のワインをもらったので今夜はぐっすりと眠れそう。