処女航海中のイギリスの豪華客船・タイタニック号が沈没したのは
1912年(明治45年)の4月14日のこと。
同月10日にイギリス・サウサンプトン港を出航し、北大西洋ニューファウンドランド沖を
高速航海中に、姿を現した氷山に衝突した。(Wikipediaより。)
当時世界最大の豪華客船にして世界最悪の海難事故とも言われた
タイタニック号の悲劇を描いた映像作品は映画やドキュメンタリーなど数多くあるが、
おそらく誰もが知っていて見たことがあるのは、年に1度はテレビで再放送される
1997年公開のハリウッド映画の 『タイタニック』 だろう。
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当時高校生だった私も多分に漏れず観に行った。
まだ美しかったディカプリオ君に惚れ惚れとし。
とてもお嬢様には見えないケイト・ウィンスレットの脱ぎっぷりに感嘆し。
2人のラブシーンではこれはカーセックスオンザ船上とでも呼べばいいのかな、
それともインザ船上か? 「中」 なのに 「上」 とはこれいかに、
などと不届きなことをぼんやりと考えたり。
ぎりぎりまで楽団が演奏を止めずに、船の最後まで運命を共にしたシーンでは
彼らに敬意を表したり。
そうこうしている内にセリーヌ・ディオンの絶叫的な歌声にこちらも
「何かわけわからんけどとりあえず泣いとけ」 と涙を流し。
ラストでは 「あぁ、死因は数あれど溺死それも寒中だけは絶対にいやだ。
一生船には乗るまい」 と私を決意させるに至った感動的な映画でした。
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『タイタニック』 を観る際には涙の一粒も流すのが礼儀であり、
またそれが日本の風物詩になりつつある昨今、そのまだ浅い歴史に
決して抜けない楔を打ち込んだのが 「妻夫木聡&竹内結子による吹き替えタイタニック」
であったことは間違いない。
「 じゃぁぁぁぁぁぁっく」
「 ろーず、しぬな 」
「 じゃぁぁぁっく、あいしているわ 」
「 ろーず、いきるとやくそくしてくれ 」
たまたま実家の部屋で観ていた私は、これは捨て置けないと思い
「これは観ておいたほうがいいよ。」 と妹を呼んで、一緒に腹を抱えて笑った。
雰囲気に弱く何度観ても涙(※)を流した 『タイタニック』 で大爆笑したのは、
後にも先にもあれが初めてだ。
(※あんた達そんなに愛し合っていられるのはその場限りだからよ、
もし船が無事で陸に着いたら冷静になってごらん、住む世界がちがうのに
やっていけるわけがないよ、特にその気位が高いおねえちゃんなんか絶対に無理だね。
よく言うでしょ、スキー場で地元の男がかっこよく見えるのは雪に慣れてるからだって。
街で会うとあれ?って思うでしょ。って、この例えはなんか違うけどまぁそういうお節介涙)