最近これを見ずしては一日を終えることができないほどはまっているCMがある。
それはKIRINの缶コーヒー 「FIRE」 のCM、「HOLY BEAR」 篇。
(ここから見られる)
妙に間延びする広瀬香美の歌声に乗って5~6秒目あたりで、
缶コーヒーを持った反町隆史の手が 「ΣΣビクッ」 となるのがお分かりいただけただろうか。
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この映像はてっきりグリズリーは精巧なぬいぐるみ (アニマトロニクスみたいなの)
を使っているか、本物を別撮りして反町と合成したのだろうと思っていたが、
商品サイトの 「撮影裏話」 を読むと
「グリズリーベアのダイアモンド君は14歳…(中略)…撮影現場にはセキをするのもはばかられる緊張感が張りつめ…(中略)…間に見えない電線を仕込んであるとはいえ…(中略)…それでも怖がることもなく、余裕の表情で演じきってくれた反町さん…」
と書いてある。
えぇーー、本物(マジモン)! しかも合成ではない!
それならばグリズリーの咆哮の際に反町の手が 「ΣΣビクッ」 となるのも頷ける。
というか俄然、CMを見る目が変わる(笑)
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ところでFIREのサイトの 「CMストーリー」 には反町の設定が
「とある企業の中間管理職」 と書かれているが、そうだったのか。
松嶋菜々子に家を追い出され、行くあてもなく森に迷い込み
恐る恐る熊に話しかけるも 「何言ってるんじゃボケ」 と一喝されて
鬼嫁のいる家へすごすごと帰っていく反町自身…そんな風に見えた。
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「…長引く不況で大量のリストラが行われたが、なんとか生き残った。…(中略)…
精神的にも肉体的にも辛い毎日。そんなとき、この森でグリズリーと出会った。
一緒にいるだけでなぜかほっとできる。…」
だからって熊とコーヒーブレイクってのも。
「おまえも・・・いろいろあるのか」
熊もそんなこと聞かれても困るだろう。
しかも険しい顔で。
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反町は映画 『グリズリー』 (1976年)を観なかったのだろうか。
あれを観ていればマジモンのグリズリーと共演なんて恐ろしくて
拒否しそうなものだけど…新人俳優でもないし、嫌な仕事は自分の都合で
変えられるだけの立場にいそうなのに…
松嶋菜々子に 「ひるまないかっこよさ」 を見せたかったんだろうか…
いや、そのかっこよさは何か違う…
それに菜々子はこういうのをかっこいいとは思わなさそう…。
考え続けた結果、こんな過酷な仕事も断らない反町隆史は
「実はいいやつ」 なのだと結論付けた。
見る者にいくつもの不条理を感じさせるこのCM、
もう一つのバージョン 「PIGS」 篇では反町、つなぎを着て豚追いしている。
前回の馬・今回の熊・豚ときて次は何を持ってくるのか、
もうしばらく反町を追い続けようと思う。