・ 『多重人格探偵サイコ』 (原作・大塚英志、画・田島昭宇、角川書店) 1~9巻
大学時代の寮で、先輩に借りて読んだことのある漫画。
寝られないと言ったら貸してくれたのだ。どういうチョイスだろう。
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のっけから首だけの死体が出てくる。
次には四肢を切断されて多糖体の粘液に漬けられた若い女性の体。
人の脳をむき出しにして、植木鉢よろしくそこに花を植えるサイコパス。
猟奇殺人の連続である。
なんでこんなものと思うがたまに読みたくなるのだから仕方ない。
『花より男子』 (神尾葉子、集英社) が今年の5月から、
完全版として毎月1冊ずつ刊行されている。
バイトの帰りに寄った本屋で1、2巻を買ってきた。
高校時代にクラスで回し読みをしたこともあり懐かしい。
完全版ということは連載は終了したのだな。
これも 「ガラスの仮面状態」 なのではと危惧していたが、完結していてよかったよかった。
文庫版の 『王家の紋章』 よりも刊行ペースが速いのでこちらの方が先に揃うだろう。
完全版は大きくて重いので少し読みにくいが、本当に懐かしいし、
高校時代よりも今読む方がつくしのポジティブさに救われる気がする。
高校時代に読んではまり、最近漫喫で再読してやはりはまったので、
『YASHA-夜叉』 (吉田秋生、小学館) 全12巻をまとめて購入した。
『BANANA FISH』 の感動がいまだ冷めやらないので、『YASHA~』 を読んでいて
シンが登場した場面にはあまりにびっくりして息が止まりそうになり、
そして思わず涙ぐんでしまった。
アッシュはもちろん生き返らない、それは充分分かっているつもりだが、
アッシュを知る人物が他の作品で生かされていたということがうれしかったのだ。
小さかったのに背が伸びて偉そうになって、成長したね。
シンの登場はしみじみするような場面では決してないのだが、
つい感慨深くてページを繰る手も止まってしまう。
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それにしても 『YASHA~』 にはいい男が豊作だ。
主人公の有末 静(セイ)にボディガードのケン・クロサキ、
静の双子の弟の雨宮凛にその親友の三上尊、そして成長したシン。
ここに 『BANANA FISH』 のブランカが加われば最強だ。
『BANANA FISH』 の番外編を収めた 『BANANA FISH ANOTHER STORY』
(吉田秋生、小学館、全1巻) を読んだ。
収録作品は 『光の庭』、 『ANGEL EYES』、
『PRIVATE OPINION』、 『Fly boy, in the sky』 。
『BANANA FISH』 のラストのアッシュの死は何度読んでも
「アッシュが死んじゃったよぅ」 と号泣するだけだが、
『光の庭』 を読んで死を再確認した時には、アッシュの写真を前にした英二のように
ただ静かな涙が頬を伝った。
『PRIVATE OPINION』 にはアッシュの次に好きなブランカが出てくるのでうれしい。
先日から読んでいた 『王家の紋章』 は文庫版で現在刊行されている1~8巻を
もう読んでしまって、そろそろ 「懐かし買い」 の衝動が落ち着いてきた。
次に読むのはこれまでに読んだことのない漫画にしようと、
本屋でふと目に止まった 『ベルサイユのばら』 (池田理代子、集英社文庫、全5巻)を購入した。
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『ベルサイユのばら』 というと真っ先に宝塚歌劇団が思い浮かぶが、
公演のたびに劇場を満席にし、観客を魅了し続けるのは
やはり原作がすぐれているからだろう。
何年経っても衰えない人気の秘密というのを自分で確かめてみたい気持ちがあった。
『ベルばら』 を読み進めていくと、 「三部会」 やら 「テニスコートの誓い」 など
高校時代の世界史で単語としてしか学ばなかった (知ろうとしなかった) 事柄が、
絵とドラマを以て胸に迫ってくるのを感じ、また高慢ちきで愚かなお妃という
印象しかなかったマリー・アントワネットの人間的な部分にも少しだけ触れることができ、
この漫画の人気が衰えない理由を思い知った。